日本超音波医学会

地方会抄録号

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社団法人日本超音波医学会第42回東北地方会学術集会抄録

第5回奨励賞審査セッション消化器T循環器T産婦人科・循環器
消化器U循環器U腎・泌尿器・消化器消化器V

第5回奨励賞審査セッション

座長: 西條 芳文 (東北大学大学院医工学研究科医工学専攻)
座長: 小野寺博義(宮城県立がんセンター消化器科)

42-1 【症例報告】 ステロイド投与により心筋壁厚が劇的に変化した二次性心筋症の一例

佐藤 和奏, 渡邊 博之, 飯野 貴子, 伊藤  宏

秋田大学大学院医学系研究科 循環器内科学・呼吸器内科学

35歳男性,急性心不全のため入院.胸部X線写真上肺うっ血,心電図でV1-3の陰性T波,V1,2のε波を認めた.心エコーでは非対称性心室中隔肥厚(中隔壁厚17 mm)とびまん性左室壁運動低下(駆出率40%)を認め,左室拡張末期径63 mmと左室拡大を呈していた.拡張相肥大型心筋症,Fabry病,左室病変を伴ったARVCを鑑別に挙げ検討したが,右室心筋生検にて心内膜下に類上皮肉芽腫が検出され,サルコイドーシスと診断した.ステロイド治療開始3週間後,ε波は残存するも心室中隔肥厚は劇的に菲薄化(17→6 mm).さらに同部位に左室内壁在血栓を形成したため抗凝固療法を必要とした.また心エコー上,無収縮だった右室自由壁の一部はCARTO mappingでの島状の伝導遅延部位に一致し,同部位がε波形成に関与していると考えられた.病初期に肥大型心筋症類似の形態をとり,ステロイド治療後に中隔肥厚が顕著に菲薄化した稀な心サルコイドーシス症例を経験したので報告する.

42-2 【一般演題】 脈管のカラードプラ(CD)像のミラーイメージ

渡部  昇1, 長沼 裕子1, 藤盛 修成1, 船岡 正人1, 奥山  厚1, 武内 郷子1, 木下 幸寿1, 荒田  英1, 石田 秀明2

1市立横手病院 消化器科, 2秋田赤十字病院 超音波センター

【はじめに】ミラーイメージ(鏡像)は強い反射面の浅部にある像がその反射面の深部に反転した形にみえる虚像である.脈管のCD像の鏡像を検討し若干の知見を得たので報告する.【対象と方法】門脈肝静脈シャント2例,脾腎シャント1例,胃静脈瘤1例の計4例.CD像の鏡像の表示について検討した.【結果】@実像のみの表示,鏡像のみの表示,実像と鏡像の両方表示の3通りがあった.A動画の観察から,実像と鏡像とが逆のカラー表示になる場合とならない場合があった.【考察】実像と鏡像は理論的に逆のカラー表示になるが,実際は常にそうなるわけではない.シャント内では異なる方向の血流が回転するように立体的に存在する.横隔膜の凹面に反射したビームが捉えた像を鏡像として表示するため,2D画面上表示されていない実像の部分のCD像も鏡像として表示されるということが理解できた.

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消化器T

座長: 黒田 英克 (岩手医科大学医学部第一内科)
座長: 幕田 倫子(大原綜合病院臨床検査科)

42-3 【症例報告】胆管内腫瘍浸潤を示した肝細胞癌の一例

坂本 夏美1, 黒田 聖仁2, 菅野有紀子3, 斎藤 広信3, 大平 弘正1, 石田 秀明4

1福島県立医科大学 消化器・リウマチ膠原病内科, 2福島赤十字病院 内科, 3福島赤十字病院 消化器科, 4秋田赤十字病院 超音波センター

肝細胞癌(HCC)が脈管内に腫瘍塞栓を伴う事はまれではないが,胆管内に腫瘍塞栓を形成する事は少なく,その造影超音波所見の報告はほとんどみられない.今回我々はそのような一例を報告する.診断装置: 日立社製Preirus.症例: 80歳代男性.2010年12月に原因不明の肝硬変とHCCを指摘され,以後当院で肝動脈化学塞栓療法を受けていた.2011年6月に肝の現状把握のため施行した超音波検査で肝右葉ほぼ全体にびまん性に伸展する腫瘍(病変A),および右肝内胆管の軽度拡張とその内部に1.5 cm大のdebris様病変(病変B)を認めた.Sonazoid造影で病変Aは早期に不均一に濃染後次第に低染化し,クッパー相では低 〜 無染域が混在する状態を呈したためこの部は低 〜 未分化が主体のHCCと診断した.病変Bは早期から濃染し腫瘍塞栓と診断した.クッパー相では拡張胆管の分布が更に詳細に把握可能であった.

42-4 【症例報告】 胆管拡張をきたした肝のう胞の三例

千葉 崇宏1, 過足  亮2, 佐藤 徳吉2, 引地 健生1, 木田 真美3, 石田 秀明4

1栗原市立栗原中央病院 放射線科, 2栗原市立栗原中央病院 臨床検査科, 3栗原市立栗原中央病院 消化器内科, 4秋田赤十字病院 消化器病センター

比較的まれな胆管拡張をきたした肝のう胞の3例を造影超音波所見を中心に報告する.診断装置: 日立社: Avius,東芝社製: AplioXG.超音波造影剤: Sonazoid(第一三共株式会社).症例1: 85歳男性.C型肝硬変合併肝細胞癌(HCC)で経過観察中.CTでS2-3に新規病変を疑われ超音波検査施行.同部に3.7 × 3.6 cmの低エコー腫瘍,S4に5 cm大ののう胞あり.近傍に胆管拡張あり.造影超音波で,前者は典型的なHCCで,後者はのう胞のmass effectで生じたものと確定した.症例2: 60歳代女性.一過性腹痛例.腹部チェック目的で施行した超音波でS4に3 cm大ののう胞とその抹消胆管の軽度拡張が認められ,両者の関係が造影超音波で明瞭となった.症例3: 60歳代男性.腹部膨満感例.S3に10 cm大ののう胞その抹消胆管の軽度拡張が認められた.両者の関係が造影超音波で明瞭となった.口演では症例1の超音波像と対比目的でHCCによる胆管拡張を提示したい.

42-5 【症例報告】 右房内腫瘍浸潤を示した肝転移の一例

里吉 梨香1, 武藤  理2, 小棚木 均1, 宮内 孝治3, 石田 秀明4

1秋田赤十字病院 外科, 2秋田赤十字病院 内科, 3秋田赤十字病院 放射線科, 4秋田赤十字病院 消化器科

原発性肝細胞癌が脈管内に腫瘍塞栓を伴う事はまれではないが,肝転移が腫瘍塞栓を形成する事は少なくその造影超音波所見の報告は殆どみられない.そのような一例を報告する.【診断装置】東芝社製AplioXG.【症例】 78歳男性.直腸癌にて高位前方切除術後.中分化型腺癌,T3N0M0であった.術後1年で肝S4に転移巣が出現したが心筋梗塞の既往もありRFAを施行した.術後3年8ヶ月に経過観察目的の超音波で転移巣は急速に増大し中,左肝静脈さらに下大 静脈 〜右房内に腫瘍塞栓を認めた.Sonazoid造影超音波では腫瘍の背側 〜 腫瘍塞栓は早期から均一に濃染し,この部は腫瘍の局所再発とその背側への伸展が下大静脈 〜 右房内に腫瘍塞栓を来たした状態と考えた.化学療法を行い上記所見による循環障害も考慮しつつ現在経過観察中である.【まとめ】 頻度は低いが肝腫瘍例では肝静脈を介した下大静脈,右房伸展の可能性も念頭に入れる必要がある.

42-6 【症例報告】 脾炎症性偽腫瘍の一例

藤谷富美子1, 工藤由美子1, 小野久美子1, 三浦絵里花1, 菊地 孝哉1, 佐藤 重雄1, 平宇 健治2, 山内 美佐3, 杉田 暁大3, 石田 秀明4

1由利組合総合病院 臨床検査科, 2由利組合総合病院 外科, 3由利組合総合病院 病理, 4秋田赤十字病院 超音波センター

【はじめに】比較的まれな脾炎症性偽腫瘍の一例を造影超音波所見を中心に報告する.【症例】50歳代女性.検診にて超音波検査上,脾内に周囲組織と等 〜 低エコーの孤立性円形腫瘍53 × 40 mmを認めた.造影超音波上,病変部は周囲より淡い染まりを示し,炎症性偽腫瘍を念頭に経過観察したが,3年後の超音波検査では腫瘍径が130 × 100 mmと増大していた.内部に出血と思われる液体成分の増加が認められる事より,切迫破裂の疑いで脾摘出術施行.中心部に広範な壊死を伴う腫瘍で,一部に紡錘形細胞が増殖しEBV免疫染色陽性であり,炎症性偽腫瘍と最終診断した.【まとめ】造影超音波所見は,その造影パターンから脾腫瘍の鑑別の一助になる事より,診断を絞り込むためにも造影超音波検査を積極的に施行すべきである.なお,この症例にみられた“増大性”は通常炎症性偽腫瘍ではみられない現象で,その意味ではまれなケースと思われた.

42-7 【一般演題】 位置認識システムを用いたプローブの回転運動の可視化

幕田 倫子1, 齋藤 沙織1, 渡辺 里美1, 丹治 広彰1, 岡メ@秀子1, 大山 葉子2, 長沼 裕子3, 石田 秀明4, 細谷由希子5, 大野 長行6

1大原綜合病院 臨床検査部, 2秋田組合総合病院 臨床検査科, 3市立横手病院 内科, 4秋田赤十字病院 内科, 5GEヘルスケア・ジャパン株式会社 超音波担当, 6GEヘルスケア・ジャパン株式会社 超音波本部

肋間からの肝右葉の観察,膵全体の観察時ベテラン試行者は無意識にプローブを回転させているが,その動きを言葉で表現することは難しく,映像で表現することが求められてきた.我々は,磁気センサーを用いたnavigation systemの応用として,下記の方法で行い若干の知見を得たので,主に,教育的な視点を中心に報告する.使用装置: GE社Logiq: E9(中心周波数: 3-4 MHz).方法は,通常のnavigation systemの場合同様,磁場発生装置とプローブに密着させた(外付け)センサーを用いプローブの位置を一定時間間隔で画面内に表示させ(Probe movement graphic: PMG),それをもとに,平行移動,水平回転,ひねり回転,を比較したところ,検査習熟者は動きに再現性があり,ビギナーは再現性が乏しかった.これらのPMGの結果を,教育的観点から述べたい.

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循環器T

座長: 中川 正康 (市立秋田総合病院循環器科)
座長: 丹波 寛子(平鹿総合病院臨床検査科)

42-8 【症例報告】 心室中隔穿孔と心室中隔心筋解離を合併した前壁心筋梗塞の一例

鎌田ななみ1, 飯野 貴子1, 鬼平  聡2, 渡邊 博之1, 伊藤  宏1

1秋田大学大学院 医学系研究科循環器内科学, 2きびら内科クリニック

症例は78歳女性.2日前より労作時の胸痛,呼吸苦を自覚し前医を受診.心電図上V1 〜 V4のpoor R progressionを認め急性前壁心筋梗塞の診断で当院に紹介入院となった.経胸壁心エコーでは心尖部レベルの心室中隔穿孔と,乳頭筋 〜 心尖部レベル前壁での壁運動低下,さらにその部位に一致した心室中隔の筋層解離を認めた.冠動脈造影で左前下行枝seg7の完全閉塞が明らかとなった.穿孔部の瘢痕化を待って冠動脈バイパス術+心室中隔修復術を行なう方針とした.経過中に心室中隔解離の進展と穿孔部の拡大を認めたがIABPを併用して血行動態を維持し,入院後17日目に冠動脈バイパス術+心室中隔パッチ閉鎖術+三尖弁形成術を施行した.術後経過は良好で53日目に退院となった.心室中隔穿孔は心筋梗塞後亜急性期に1〜3%の症例に合併するとされているが心室中隔解離を合併する例は稀であり,ここに報告する.

42-9 【症例報告】 僧帽弁輪縫縮術後に左房内巨大血栓を来した一例

斉藤 翔伍1, 飯野 貴子1, 鬼平  聡2, 渡邊 博之1, 伊藤  宏1

1秋田大学 大学院医学研究科循環器内科学・呼吸器内科学講座, 2きびら内科クリニック 循環器内科

症例は63歳男性.大動脈弁閉鎖不全症(AR),僧帽弁閉鎖不全症(MR),心房細動にて1980年より近医にて内服加療中であった.2010年11月易疲労感出現,経胸壁心エコー検査上ARW°,tetheringによるMRU°を認め,2011年2月僧帽弁輪縫縮術(Carpentier Edwards Physio ring 26 mm)および大動脈弁置換術を施行した.術後左房径の縮小を認めるも(77 mm→65 mm),僧帽弁口面積2.16cm2(E波高1.64 m/s)と軽度僧帽弁狭窄の状態であった.心房細動が持続していたため,術後5日よりワーファリン再開されるも,2011年3月(術後15日)に施行された心エコー検査にて左房内もやもやエコー及び左房内巨大血栓(24.6 mm × 43.4 mm)を認めた.僧帽弁輪縫縮術後に左房内巨大血栓を合併した稀な症例を経験したので報告する.

42-10 【症例報告】 疣贅の確認ができなかった弁腱索が断裂した感染性心内膜炎の一例

矢作 浩一, 高橋  望, 竹内 雅治, 岩渕  薫, 平本 哲也

大崎市民病院 循環器内科

症例は50歳代,男性.入院2週間前から全身倦怠感,両下腿浮腫が,1週間前から37度後半の発熱,寝汗が出現し,当科受診した.経胸壁心エコー上,大動脈弁に疣贅を認め,重度の大動脈弁閉鎖不全症が認められた.WBC/CRP9000/7.0台,心不全症状は軽度であったため,まず内科的治療を開始した.血液培養からGemella haemolysansを認められ,感染性心内膜炎の確定診断がつき,感受性のあるSBT/PIPC+GMで治療を継続した.入院5日目に排尿後に突然の呼吸困難出現.NPPVを装着しても酸素化が改善されない急性心不全を発症した.経胸壁心エコー上,入院時軽度であった僧帽弁閉鎖不全が重度になっていて,腱索の断裂が原因と考えられた.気管内挿管後,転搬送し緊急手術にて救命できた.入院後早期の経食道心エコーを施行しなかったことが,僧帽弁の状態を把握できなかった可能性が示唆された.

42-11 【症例報告】 左肺全摘術後の肺動脈断端に血栓形成を来し,肺塞栓症を発症した慢性右心不全の一例

佐藤 輝紀, 石田  大, 渡邊 博之, 伊藤  宏

秋田大学大学院医学系研究科 循環器内科

73歳男性.65歳時に肺癌で左肺全摘出.68歳時と70歳時に食道癌の治療歴がある.平成21年7月 ~ 10月,右冠動脈#1閉塞による右心不全で入院加療した.平成22年10月中旬に慢性心不全の急性増悪で入院した.入院時は右心不全によるうっ血肝,腎前性腎不全を呈しており,利尿薬とカテコラミンの持続静注で状態は軽快した.心不全の軽快に伴って腹水は減少したものの,胸水の貯留が持続して頻回の胸腔穿刺を要した為,持続ドレナージを行った.胸水検査では漿液性であり,悪性所見もなく右心不全に伴う胸水と診断した.約1000 ml/日の胸水流出が見られ,ドレーンを抜去とQOL改善を目的として,胸腔腹腔シャント(DenverShunt)造設術を施行した.術後,心エコーで左肺動脈断端に発生した血栓を認め,右肺動脈塞栓症を発症していたが,抗凝固療法のみで血栓は消失した.肺動脈断端の血栓を経胸壁心エコーで指摘し得た症例を経験したので,文献的考察を含めて報告する.

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産婦人科・循環器

座長: 鬼平  聡 (きびら内科クリニック)
座長: 大阪 孝子(秋田県成人病医療センター医療技術部)

42-12 【一般演題】 位相差トラッキング法による胎児心筋厚み変化速度の計測

小澤 克典1,2, 宮下  進1,2, 佐藤聡二郎1, 室月  淳1,2, 長谷川英之3,4, 金井  浩4,3, 八重樫伸生5

1宮城県立こども病院 産科, 2東北大学 大学院医学系研究科先進成育医学講座胎児医学分野, 3東北大学 大学院医工学研究科,4東北大学 大学院工学研究科, 5東北大学病院 産婦人科

【目的】胎児の心循環系機能評価法は一定していない.超音波の位相差トラッキング法は,胎児心筋の微細な厚み変化を正確に計測し,胎児の心循環系の評価を非侵襲的に得られる可能性がある.【対象と方法】双胎間輸血症候群(TTTS)のため胎児鏡下吻合血管レーザー凝固術(FLP)を行った症例の胎児心筋厚み変化速度を,手術の前後で収縮期と拡張期に分けて計測した.測定点は左右の心筋自由壁の内側とした.【結果と考察】Recipientの収縮期速度は右左室とも術後4日目まで増加し(19.66 mm/s→30.78 mm/s)その後減少.拡張期速度は右左室とも術後6日目まで増加し(11.86 mm/s→20.93 mm/s)その後減少.Donorの収縮期速度は右左室とも術後4日目まで増加し(21.9 mm/s→30.03 mm/s)その後減少.拡張期速度は右左室とも術後減少(19.96 mm/s→8.92 mm/s).【結論】FLP後に心筋厚み変化速度が増加することは,一時的な心負荷の増加を示している可能性がある.

42-13 【症例報告】 腎梗塞を契機に発見された浮遊性左房内腫瘤の一例

西塚 麻代, 桐林 伸幸, 齋藤 純健, 齋藤 博樹, 佐々木敏樹, 新関 武史, 近江 晃樹, 金子 一善, 菅原 重生

日本海総合病院 循環器内科

症例は85歳女性.以前に二度,脳梗塞の既往がある.2011年4月,嘔吐と食欲不振を主訴に当院救命救急センターを受診.造影CT検査にて右腎梗塞と左房内の陰影欠損を認めた.心電図は心房細動であり,経胸壁心エコー上左房の拡大と左房内に浮遊する29 × 33 o大の巨大な腫瘤を認めたため即日入院となった.経食道心エコーでも同様に左房内に浮遊性の腫瘤を認め,左房および左心耳にモヤモヤエコーを認めた.年齢や全身状態を考慮し手術は行わず,抗凝固療法を行った.第26病日の経胸壁心エコーで左房内の腫瘤は消失していたが,造影CT検査にて腹部大動脈内に新たに陰影欠損が出現しており,腫瘤が僧帽弁,大動脈弁を通過して塞栓をきたしたと考えられた.幸い全身状態の悪化なく,第27病日に転院となった.左房内腫瘤としては血栓,粘液腫などの腫瘤が考えられたが,最終的に確定診断には至らなかった.若干の文献的考察を含め報告する.

42-14 【一般演題】 左室肥大を有さないEFの保たれた心不全の検討

田村 佳子1, 大平 里佳1, 高橋 千里1, 葛西 智子1, 長谷川真奈美1, 三上 秀光1, 伊藤真理子1, 高石 俊一1, 鈴木 博義1, 篠崎  毅2

1国立病院機構 仙台医療センター 臨床検査科, 2国立病院機構 仙台医療センター 循環器科

【目的】左室肥大を有さないHFPEFの病態を明らかにすること.【対象】安定した慢性心不全(CHF)患者のうち,EF40%以上,且つ,E/e',左房容積係数(LAVI)を計測した連続59例.慢性心房細動,高拍出性心不全,弁膜症患は除外した.【方法】左室肥大はPenn-Cube法による左室重量係数 > 125 g/m2と定義した.CHF患者を左室肥大の有無により2群に分類し比較検討した.【結果】両群間に年齢,性別,疾患,NYHA,eGFR,LAVI,E/A,DcT,推定肺動脈収縮期圧,E/e'に有意差を認めなかった.左室肥大(-)群は(+)群よりも発作性心房細動,または心房粗動の合併率(34%と11%,p<0.05)と糖尿病の頻度(59%と30%,p<0.05)が有意に高く,左室拡張末期径(49 mmと55 mm,p<0.05)が有意に小さかった.【結語】左室肥大を有さないHFPEFは左室肥大を有するHEPEFとは異なる病態を有する.

42-15 【一般演題】 パルス波組織ドプラ法を用いて得られた上行大動脈下壁の壁運動速度波形は左房壁運動を反映するか

金子 一善, 高橋 徹也, 齋藤 博樹, 桐林 伸幸, 近江 晃樹, 佐々木敏樹, 新関 武史, 菅原 重生

日本海総合病院 循環器内科

【背景】四腔断面像でパルス波組織ドプラ法(PW-TDI)を用いて得られた左房壁運動速度波形は洞調律時に三相性を示し左房機能を反映する報告がある.傍胸骨長軸像で上行大動脈上壁および下壁の壁運動速度波形も三相性で左室拡張能と相関する報告がある.【目的と方法】正常健常例,持続性心房細動例および洞調律復帰直後の一過性心房細動例に対しPW-TDIを用いて上行大動脈下壁と左房側壁および中隔壁の壁運動速度を計測し,得られた波形を比較する事で上行大動脈下壁の壁運動が左房壁運動を反映するか検討.【結果】上行大動脈下壁の壁運動速度波形は洞調律に収縮期の陽性波,拡張早期およびP波直後拡張末期の陰性波の三相性を,心房細動調律で鋸歯状波と収縮期の陽性波,拡張早期の陰性波の二相性を示しいずれも左房側壁および中隔壁の壁運動速度波形と極めて類似していた.【結語】上行大動脈下壁の壁運動速度波形は左房壁運動を反映する可能性が考えられた.

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消化器U

座長: 石川 洋子 (松園第二病院消化器科)
座長: 大山 葉子(秋田組合総合病院臨床検査科)

42-16 【症例報告】 肝転移を伴った胃carcinoidの一例

保浦 慶之1, 星野 孝男1, 渡部 博之1, 岸辺 俊彦1, 藤井 公生1, 稲葉 宏次1, 米山 和夫1, 和田  勲1, 大山 葉子2, 石田 秀明3

1秋田組合総合病院 消化器科, 2秋田組合総合病院 臨床検査科, 3秋田赤十字病院 超音波センター

はじめに: 原発性,転移性を問わず肝carcinoid 腫瘍は比較的稀であり,その超音波所見の報告は散見される程度である.今回我々は胃carcinoidの肝転移例を経験したので報告する.装置: 東芝AplioXG.症例: 50代男性.平成23年4月めまいと黒色便にて消化器科を受診.超音波検査にてa)胃体部腫瘍とリンパ節腫大に加え,肝内全体に2-4.5 cm大の腫瘍が散在し,病巣は内部に不規則に無 〜 低輝度領域を伴う高輝度腫瘍で,側方陰影と後方音響増強を伴っていた.b)Sonazoid造影超音波では,腫瘍実質は早期から濃染し,次第に染まりが淡くなっていった.GIF: 胃体部に腫瘍を認め生検にてcarcinoidと診断された.胃病変よりの出血による貧血と考え胃摘出術を施行.術中にリンパ節転移,肝転移及び胃carcinoidの膵浸潤も確認された.まとめ: carcinoidの肝病変はBモード上の特徴的所見に,造影超音波による多血性腫瘍の所見を加える事でさらに超音波診断能が向上する.

42-17 【症例報告】 胆嚢静脈拡張例の検討

工藤由美子1, 藤谷富美子1, 小野久美子1, 三浦絵里花1, 菊地 孝哉1, 佐藤 重雄1, 杉田 暁大1, 大山 葉子2, 長沼 裕子3, 石田 秀明4

1由利組合総合病院 臨床検査科, 2秋田組合総合病院 臨床検査科, 3市立横手病院 内科, 4秋田赤十字病院 超音波センター

胆嚢疾患に伴い胆嚢動脈が拡張し,それがカラードプラや造影超音波で明瞭にとらえられる事例はまれではない.それに比して胆嚢静脈の拡張例は比較的まれである.今回我々はそのような2例を造影超音波所見を中心に報告する.使用診断装置: アロカ社:α-10,東芝社製: AplioXG.症例1: 80歳代女性.胸部異常陰影チェック目的のCTで胆嚢に接して多血性病変が疑われ精査目的に造影超音波施行.早期に胆嚢動脈から胆嚢静脈への流れが確認され動静脈短絡と診断.症例2: 70歳代男性.原因不明のCTPV例.CTPVの一部が肥厚した胆嚢壁内まで伸展,さらに胆嚢静脈と交通してしている状態が造影超音波で理解できた.まとめ: 肝,胆嚢,門脈系は,超音波での観察に最も適した臓器であり,これに造影超音波検査を加えることにより精度が一層向上する.今回供覧した胆嚢静脈拡張の様な“(従来)比較的まれ“とされてきた所見が今後多数検出される,と期待される.

42-18 【一般演題】 造影超音波検査におけるdual imageの意義に関して

伊藤 恵子1, 須田亜衣子1, 五十嵐 潔2, 石田 秀明3, 渡部多佳子3, 長沼 裕子4

1仙北組合総合病院 臨床検査科, 2仙北組合総合病院 消化器科, 3秋田赤十字病院 超音波センター, 4市立横手病院 消化器科

現在,造影超音波検査ぬきで腹部超音波検査は考えられない状態である.しかし,多種多様な改良が随時加わりここの意義を十分に検証できない状態にある.今回我々は,造影超音波検査におけるdual image(base line US(BLUS)-造影超音波所見の同時2画面表示)の意義について最近の200例を対象に検討した.診断装置:東芝社AplioXG.GE社製LogiquE9.1)dual imageの目的: a)小病変の追跡,b)等染病変の位置確認,c)Bモード上不明瞭病変の位置確認,d)病変細部(主に病変-周囲肝境界部)の染まり検討.2)dual imageの画質: a)十分(74%),b)不十分(26%)で,b)の内訳は,BLUSの画質が不十分で,病変細部の観察が不十分,小病変の追跡不良,とBLUSの画質が原因であった.まとめ: 造影超音波検査にとってdual imageは不可欠であるがBLUSの画質改善が望まれる.

42-19 【一般演題】 肝内シャントのDual Dopplerを用いた観察

小丹まゆみ1, 長沼 裕子2, 大嶋 聡子1, 船岡 正人2, 藤盛 修成2, 奥山  厚2, 武内 郷子2, 石田 秀明3

1市立横手病院 臨床検査科, 2市立横手病院 消化器内科, 3秋田赤十字病院 超音波センター

【はじめに】肝内シャントをDual Dopplerを用いて観察し若干の知見を得たので報告する.【対象と方法】門脈肝静脈シャント(以下P-V)5例,肝静脈肝静脈シャント(以下V-V)2例,肝動脈門脈シャント(以下A-P)の2例の計9例.Dual Dopplerを用いて呼吸と心拍の条件をそろえシャント前後の血流波形を検討した.使用装置: 日立Preirus.【結果】P-VとV-Vの7例のシャント部の大きさは1.6-6.7 mm(平均3.9 mm).シャント前後の波形が両方とも拍動流で相似だった5例のシャント部の大きさは平均4.8 mmで,両方とも定常流だった2例のそれは平均1.7 mmだった.A-Pの2例ではシャント部は特定できず門脈逆流部の波形は拍動流1例,定常流1例だった.【考察】P-VとV-Vではシャント部が大きいと波形が伝わるということが考えられた.A-Pは疾患や出現機序によって異なる可能性がある.

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循環器U

座長: 渡邊 博之 (秋田大学医学部内科学講座循環器内科分野)
座長: 富谷 陽子(秋田大学臨床検査部生理部門)

42-20 【症例報告】 肺動脈性肺高血圧症に対し肺移植を施行した一例

高橋久美子1, 飯野 貴子1, 鬼平  聡2, 渡邊 博之1, 伊藤  宏1

1秋田大学 大学院医学系研究科循環器内科学, 2きびら内科クリニック

【症例】18歳女性.【現病歴】1歳時に心室中隔欠損症に対し心室中隔上部パッチ閉鎖術を施行.術前肺高血圧を呈していたが,術後7年で推定肺動脈収縮期圧(PASP)は24 mmHgまで改善していた.平成18年7月より歩行時息切れを自覚,平成19年2月呼吸苦が増悪し右心不全の診断で当科入院となった.心エコー検査ではPASP154 mmHg,心室中隔の扁平化と右室肥大を認めた.在宅酸素療法,ベラプロスト,ボセンタン,シルディナフィルを導入するも,WHO分類III度,PASPの改善なく肺移植へ至った.移植後,日常生活可能なまでに回復し,心エコー検査では右心負荷所見の著明な改善がみられた.本症例は内科的治療によっても病状の改善が得られなかった肺動脈性肺高血圧症に対し,肺移植を施行し得た貴重な症例である.術後良好な経過をたどっており,心エコー所見の経時的変化を含めここに報告する.

42-21 【症例報告】 外傷性左深大腿動脈仮性動脈瘤と考えられた一例

奈良 育美1, 中川 正康1, 鬼平  聡4, 小林希予志2, 松田  尚2, 渡辺 栄里2, 渡辺 智美2, 伊藤  宏5, 星野 良平3

1市立秋田総合病院 循環器内科, 2市立秋田総合病院 超音波センター, 3市立秋田総合病院 心臓血管外科, 4きびら内科クリニック 循環器内科, 5秋田大学医学部 内科学講座循環器内科分野

症例は60歳代男性.2週間前より左大腿部の腫脹と疼痛あり近医受診,血管性病変が疑われたため当科紹介となった.エコーでは左深大腿動脈に接し,厚い壁在血栓を有する径13 cmの巨大な瘤状構造物を認めた.深大腿動脈からはto and froの血流があり,また大腿静脈への還流する血流も認められたため動静脈瘻を伴った仮性動脈瘤と考えた.造影CTでも同様な所見を認めたため心臓血管外科へ紹介,緊急手術となった.手術所見では左深大腿動脈から内側へ分岐する分枝が離断しており,瘤内は新鮮血栓と血液で充満していた.離断した動脈を結紮し,瘤内の血栓(450 g)と血液を除去した.動静脈瘻は確認できなかった.約2ヵ月前に自転車で転倒し同部を打撲した既往あり,鈍的外傷によるものと考えられた.

42-22 【症例報告】 検査前後の聴診が役に立った症例

菅原 修一1, 菅原 千弥1, 佐々木由美子2

1医療法人正和会 臨床検査科, 2小玉医院 臨床検査科

【はじめに】心エコー検査時における聴診の有用性は報告されているが,実際に行っている施設は少ないと思われる.今回我々はその重要性をあらためて認識させられた症例を呈示し,検査時における聴診の有用性について報告する.【症例1】70歳代,女性.[依頼理由]心雑音精査.ルーチン検査にてはっきりした異常は認めなかった為,過収縮による機能性雑音と判断,終了前の確認として聴診をすると,荒々しい収縮期雑音が聴取され再検査を施行した.【症例2】70歳代,女性.【依頼理由】大動脈弁狭窄症経過観察,前回より雑音々量増大様.検査前に聴診施行,第二肋間胸骨右縁中心に頚部に放散する大きな収縮期雑音を認めた.通常心尖部アプローチでは聴診に合致する最大流速測定困難と判断.最大流速を得るべく仰臥位での右肋間,右側臥位での右肋間操作で測定を行った.【結語】今回我々は心エコー検査時における聴診が,診断のポイントとなった症例を報告する.

42-23 【一般演題】 シロスタゾール内服の心エコー所見への影響について

藤原理佐子1, 鬼平  聡2, 伊藤  宏3

1地方独立行政法人 秋田県立病院機構 秋田県立脳血管研究センター 循環器内科 , 2きびら内科クリニック 循環器内科・内科, 3秋田大学大学院医学系研究科 医学専攻、機能展開医学系 循環器内科学・呼吸器内科学

【背景】脳梗塞の2次予防目的に処方されるシロスタゾールの心エコーでの所見への影響を検討した.【方法】2010年1年間にシロスタゾールを内服,経胸壁心エコーを施行した102例で,心拍数(HR),心駆出率(EF),過収縮の有無,収縮期左室内圧上昇の有無等を検討した.【結果】HR:74±12/分,EF:0.685±0.092,102例のうちHR83/分以上は24例(23.5%)で,EF: 0.75以上は25例(24.5%)にみられた.14例(13.6%)で左室内加速血流が1 m/s以上計測,10例(9.8%)に過収縮,34例(33.3%)に収縮期の内腔閉塞が見られた.左室内加速血流は1.25 ~ 3.6 m/sであった.1症例では,動悸及び呼吸促拍の自覚,左室内血流3.6 m/s,51.8 mmHgまで上昇,内服中止と共に症状が改善し左室内血流は1.2 m/sに減少した.【結論】シロスタゾール内服では,左室内血流速度上昇による心負荷も起きうるため,心エコーでの経過観察が必要であると考えられた.

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腎・泌尿器・消化器

座長: 石田 秀明 (秋田赤十字病院超音波センター)
座長: 久保田政昭(中通総合病院生理検査科)

42-24 【一般演題】 腎細胞癌診断における造影超音波の意義とvolume dataの活用

渡部多佳子1, 石田 秀明1, 小松田智也1, 古川佳代子1, 大野 秀雄1, 八木澤 仁1, 宮内 孝治2, 斉藤  謙3, 長沼 裕子4, 大山 葉子5

1秋田赤十字病院 超音波センター, 2秋田赤十字病院 放射線科, 3秋田赤十字病院 病理部, 4市立横手病院 内科, 5秋田組合総合病院 臨床検査科

腎細胞癌9例(男性6例,女性3例,右腎細胞癌5例,左腎細胞癌4例)を対象に,a)造影超音波における基本波amplitude modulation法(AM法)とsecond harmonic法(2nd法)との診断能の比較,b)volume dataを用いたmulti-plane法とcavity(inversion)modeとの診断能の比較を行った.【使用診断装置】東芝社製: AplioXG,GE社製: LogiqE9.【使用超音波造影剤】Sonazoid(GE Health Care社).【結果】a)8例で2nd法が腫瘍内の血流表示の点からも,腫瘍と周囲組織との識別の点からもAM法より優れていた.1例では同等.b)9例全例でcavity modeは診断に寄与する要素はわずかであったが,multi-plane法は腫瘍周囲の血管と腫瘍自体の関係がより明瞭になり,診断的な付加価値が大きかった.【まとめ】近年急増する超音波のapplicationに関し臓器や疾患毎に診断貢献度を検証していくことは極めて重要である.現時点の技術では,腎細胞癌診断に関しては2nd法とmulti-plane法の診断的貢献度が大と思われた.

42-25 【一般演題】 加齢と肝のVirtual Touch Tissue Quantification(VTTQ)測定値の検討

澁谷 友美, 後藤  隆, 大西 洋英

秋田大学医学部 消化器内科学講座

収束超音波パルスの音響放射圧を用いて生体組織内に微妙な変異を生じさせ,組織の固さの情報を得るAcoustic Radiation Force Impulse(ARFI)によるVirtual Touch TIssue Quantification(VTTQ)が実用化されている.一方加齢により臓器内に線維化や脂肪沈着が顕在化することは以前より知られている.今回我々はVTTQ測定値の年齢との相関を検討した.対象はVTTQにて超音波検査を試行した肝疾患のない33例(28-83歳,平均61±2.6歳)である.肝S5領域を連続6回測定した平均値と年齢をスピアマンの相関係数により検討した.VTTQ測定値はVs=1.10±0.20(m/s),年齢との相関係数はr=-0.0995と有意な相関を認めなかった(p=0.5815).肝臓のVTTQ測定値の年齢との相関は認めなかった.

42-26 【一般演題】 組織内超音波散乱表示(ASQ)の検討

石田 秀明1, 古川佳代子1, 渡部多佳子1, 長沼 裕子2, 大山 葉子3, 矢野 雅彦4

1秋田赤十字病院 超音波センター, 2市立横手病院 消化器科, 3秋田組合総合病院 臨床検査科, 4東芝メディカルシステムズ 超音波事業部

組織内の超音波散乱の程度を巨視的にカラー表示するASQ(Acoustic Structure Quantification東芝社)は脂肪肝や肝硬変の診断の一助になり得ると期待されているが,他の利用法に関しては現時点で報告が無い.今回我々は,下記の検討を行い若干の知見を得たので報告する.検討1: 肝膿瘍5例を対象にBモード,ASQ,造影超音波の描出能を比較した.検討2: 造影超音波で最終診断された肝腫瘍15例(HCC,転移,血管腫,各5例)を対象にASQ像を検討した.結果1: Bモード3/5,ASQ5/5,造影超音波5/5.結果2: 周囲肝と異なる散乱域として表現されたものは,HCC(3/5),転移(2/5),血管腫(3/5)と低率であった.しかし,カメレオンサインを示す2例の血管腫では,超音波像の変化に伴いASQ像も変化した.まとめ: 今回の検討では,少数例ながら,a)Bモードで不明瞭な肝膿瘍がASQで拾い上げれる可能性,b)腫瘍内部の状態を示す新しい表示法になりえる可能性,が示唆された.

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消化器V

座長: 長沼 裕子 (市立横手病院消化器科)
座長: 工藤由美子(由利組合総合病院臨床検査科)

42-27 【一般演題】 S6-7表面病変の超音波描出能の検討

須田亜衣子1, 伊藤 恵子1, 五十嵐 潔2, 石田 秀明3, 長沼 裕子4, 大山 葉子5

1仙北組合総合病院 臨床検査科, 2仙北組合総合病院 消化器科, 3秋田赤十字病院 超音波センター, 4市立横手病院 消化器科, 5秋田組合総合病院 臨床検査科

S6-7表面は,以前より超音波検査の警戒域として知られている.今回我々はこの問題に関し下記の検討を行い若干の知見を得たので報告する.【使用装置】 東芝社製AplioXG,XarioXG.GE Healthcare社製LogiqE9.【対象と方法】肋弓下から描出したS6-7領域の15 mm以下の小腫瘍30例に関し,肝縁からの距離を基にa)1 cm以下(0-1 cm),b)2 cm以下(1-2 cm),c)3 cm以下(2-3 cm),d)3 cm以上の4群に分け各群の肋間走査での病変描出能を検討した.【結果】 a)1/7.b)4/8.c)6/6.d)9/9であった.【まとめ】 S6-7領域の最端の小病変は肋骨の影響で,肋間走査での病変描出が困難になる場合が多いため,この部は肋弓下から徹底して拾い上げる努力が必要である.またこの描出能に関し,Navigation system(LogiqE9)を用い位置認識の点からも述べたい.

42-28 【一般演題】 造影超音波所見の“ぬけ”に関する検討

大山 葉子1, 石田 秀明3, 長沼 裕子4, 星野 孝男2, 高橋 律子1, 三浦 百子1, 草皆 千春1, 伊藤 恵子5, 渡部多佳子3

1秋田組合総合病院 臨床検査科, 2秋田組合総合病院 消化器科, 3秋田赤十字病院 超音波センター, 4市立横手病院 内科, 5仙北組合病院 臨床検査科

造影超音波検査は現在肝腫瘍診断に不可欠である.しかし,その所見に関しては報告者により微妙な差異がある.今回我々は,その差異がより顕著な1分以後の時相に注目し,次の検討を行い興味ある結果を得たので報告する.【診断装置】 東芝 AplioXG,GE: LogiqE9.【超音波造影剤】 Sonazoid.【対象と方法】 通常我々はプローブを小刻みに動かし病変を観察しているが,この動きを数秒間停止した場合所見が変化しえるか検討した.M.I値は常に0.25前後とした.疾患内訳は,HCC7例,肝転移6例,肝血管腫6例である.【結果】 a)肝血管腫では全例で所見が大きく変化したが,他の腫瘍では所見の変化は軽微であった.b)肝血管腫における変化は,fill-in現象で腫瘍内が染まったものが,プローブを固定すると,腫瘍ほぼ全体が"マンホール状"にぬけ,プローブ固定解除後,次第に以前の状態に戻るというものであった.【まとめ】 造影超音波所見の"ぬけ"に関しては慎重な走査が必要である.

42-29 【一般演題】 造影超音波モードでの固定MI(Mechanical Index)値の有用性

長沼 裕子1, 石田 秀明2, 古川佳代子2, 伊藤 恵子3, 須田亜衣子3, 花岡 明彦4, 上田 若奈4, 船岡 正人1, 藤盛 修成1, 奥山  厚1

1市立横手病院 消化器科, 2秋田赤十字病院 超音波センター, 3仙北組合総合病院 検査科, 4日立メディコ 超音波担当

【はじめに】造影超音波検査は造影剤を壊さないよう適正なMI値で観察するが,従来の方法では視野深度やフォーカス位置を変えるとMI値が連動して変わり,そのたびにMI値を確認する必要があった.日立Preirusは,固定MI値の造影法を搭載しており,その有用性について検討した.【対象と方法】2010年5月から2011年5月まで造影検査を行った960例.使用装置: 日立Preirus,EUB8500,東芝AplioXG,XarioXG.【結果】固定MI値の方法が可能だった591例では検査中MI値の確認をする必要はなかったが,不可能だった369例では,その都度MI値の確認と,適正なMI値に設定しなおす必要があった.時間測定した20例においてMI値の確認にかかった時間は平均2.1秒,MI値の設定しなおしにかかった時間は平均6.7秒で,その間の観察が途切れた.【まとめ】固定MI値法は,造影検査において有用である.

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